ユーフォルビアの違い・見分け方似た名前と写真の見どころ

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稜と縞、その上に残る柄を眺める
バリダの参照例・水彩イラスト
稜と縞のある丸い体に淡褐色の柄が残り、上部に緑色の花序が見えるバリダ一株の参照水彩
  1. 稜と縞:一株の表情を見る輪郭や色だけで決めず、実写真も見比べる。
  2. 残る柄:経過を知る手がかりへ新旧の写真で、柄の残り方を確かめる。
  3. 上部の花序:細部は写真で確認名前の記録と、開花時の実写を合わせる。
体の模様と、周囲へ伸びる柄の線。気になる部分を見つけたら、本文の実写真と名前の記録を重ねて比べます。
バリダとして流通する一株の参照水彩です。複数種の比較標本や同定の証拠には使いません。販売名と学名の扱いは本文で照合します。
写真参照:Frank VincentzCC BY-SA 3.0。写真を参照して水彩へ改変。AI制作:PlantsChain。この水彩もCC BY-SA 3.0で提供します。

オベサとバリダ、ホリダとポリゴナ。よく似たユーフォルビアを前にすると、トゲの長さや丸みに答えを探したくなります。ただ、見た目の違いと、名前の違いは一対一ではありません。このページでは三枚の実写を観察しながら、迷いやすい名前の関係を整理します。

写真の中で分かるのは、その株の稜、柄、葉や輪郭です。販売名、現在の学名、園芸品種名は資料とラベルで調べます。この二つを組み合わせると、単純な二択で迷うより、植物の細部を楽しみながら候補を絞れます。

目次

最初に知りたいこと:同じ種へまとめられる名前もある

Kew POWOでは、Euphorbia valida は E. meloformis、E. horrida は E. polygona の異名です。一方、園芸ではバリダやホリダという名で、好まれる姿や来歴を区別して扱うことがあります。売り場の名を記録したまま、学名の現在の扱いを添えると整理しやすくなります。バリダホリダの分類

異名とは、同じ分類群を指す名前として扱われる別の学名です。「店のラベルが無意味になる」という話ではありません。購入時の名前は株の来歴をたどる大切な情報なので、書き換えて消さず、参照資料と確認日を一緒に残しましょう。

STORE CHECK
各モールで多肉ユーフォルビアの株姿を見比べる
同じ種でも稜数や花柄の残り方は個体差があります。実物の写真を見比べて選べます。

見分けの三段階:全体、細部、名前の照合

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写真で見ることと、名前を調べること
確認する順番
  1. 全体を眺める高さ、枝分かれ、葉の付き方を記録する。
  2. 稜・柄・花へ近づく見える特徴を集め、見えない部分は接写を探す。
  3. 販売名と学名を照合同じ分類に入る名前や園芸名を確認する。
写真の観察と名前の照合を往復すると、似た植物を調べやすくなります。
姿だけで全ての株を種まで確定する検索表ではありません。
出典:本文に記載した一次資料。確認項目と手順を整理。

はじめは鉢と枝先まで入れた全景を見ます。上からだけだと高さが分からず、横からだけだと稜の並びが分かりにくくなります。別の向きの写真を追加すると、株の大きさや形を読み違えにくくなります。

次に、稜がどのように立ち、柄や葉がどこから出るかを確認します。目に見える数をメモすることは役立ちますが、幼い株や傷んだ部分では特徴がそろわないこともあります。写真で隠れた稜を推測して、正確な稜数として数えないようにします。

最後に、販売名と学名を照合します。「球形」「灰色」だけを検索語にするより、ラベルにあるつづりを残した方が、同じ資料へたどり着きやすくなります。判別のために植物を切ったり、トゲを抜いたりする必要はありません。

オベサ・バリダ・メロフォルミス:形と花柄を観察

縦に伸びたオベサの成株。稜と縞、頂部付近の小さな花序が見えます
縦に伸びたオベサの成株。稜と縞、頂部付近の小さな花序が見えます。Photo: danielcahen / CC BY 4.0

このオベサは縦に伸びています。SANBIの解説にも、若いころは丸く、年齢とともに円筒形になることが記載されています。写真と「まん丸」という印象が違っていても、それだけで別種と考える必要はありません。SANBI:オベサ

オベサの稜は通常八つですが、数を一つ確認して名前を決めるのではなく、輪郭や横縞、開花時の特徴を合わせます。頂部付近の小さな花序にも注目してください。オベサにも花柄があり、種子が散ったあとに落ちるという時間の流れがあります。

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バリダの写真で、稜と残る柄をたどる
実写真の観察

バリダとして紹介された株

緑の稜に横縞があり、頂部や側面から茶色い柄が複数伸びる鉢植え。
  1. 上部の柄頂部付近から出る柄。一本の長さだけで名前は決めません。
  2. 横に走る縞稜を横切る色の帯。写真の角度や光も合わせて見ます。
  3. 立体的な稜上から見た稜の並び。全景と側面があると形を捉えやすくなります。
見えた特徴を言葉にしてから、ラベルと資料を照合します。
販売名バリダの掲載例です。メロフォルミスから別種を切り分ける判定図ではありません。
写真:Petar43 / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0。写真に観察番号を重ねています。

バリダとして掲載された写真では、茶色い柄が幹の上や周囲へ伸びています。メロフォルミスについてSANBIは、オベサと比べて長く残る花柄などを特徴に挙げています。今の有無だけでなく、花後にどう残るかも観察すると、資料の説明を読みやすくなります。SANBI:メロフォルミス

バリダとメロフォルミスを「背が高い方」「横縞が強い方」と別種に切り分ける表は使いません。現行POWOでの異名関係を押さえたうえで、販売名の株ごとの差として眺めます。細かな写真の比較はオベサとバリダの比較へ進めます。

小型で群れるプセウドグロボサが気になる場合は、個別図鑑で枝のつながり方も見ます。小さい球が集まって見えるというだけで、オベサの子株や別種と断定しません。どこから新しい茎が出ているかが、観察の次の問いになります。

ホリダ・ポリゴナ:色やトゲの長さだけで分けない

ホリダとして掲載されていた成株。稜と硬く残る柄を観察する参考写真
ホリダとして掲載されていた成株。稜と硬く残る柄を観察する参考写真。Photo: ck2az / CC BY 4.0

写真のホリダは、稜の縁とそこから伸びる硬い柄が目を引きます。SANBIの属解説では、ホリダのトゲを変化した花柄として説明しています。ただし、ユーフォルビア属のトゲすべてが同じ由来という意味ではありません。SANBIの属解説

ホリダとポリゴナを別名で扱う園芸資料もありますが、ここではKew POWOの分類を明示しています。灰色が強いか、柄が長いかという写真上の印象を、一つの種と別の種の境界にはしません。稜や色、群れ方の幅を楽しみながら、販売者の呼び分けも確認します。Kew:ポリゴナ

「スノーフレーク」のような園芸名が付いている場合は、ポリゴナという学名と園芸名を別々に記録します。写真を白く撮っただけでも印象が変わるので、白さだけから園芸名を当てず、販売店の説明と親株や由来の記録を見ます。

また、丸いホリダの幼株と長く育ったオベサの成株を比べれば、「球と柱」の並びが逆になることもあります。形のカテゴリーは探し始める入口であって、種類を確定する最終判定ではありません。同じくらいの株齢や撮影角度で比べると理解が進みます。

トルチラマ・クラバ:結節だけで決めず、全景へ

トルチラマ Euphorbia tortirama とクラバ E. clava は別の名前です。Kewはトルチラマを、南アフリカのリンポポに自生する塊根性の低木として扱います。まずこのつづりと株の来歴を確認し、似た語感の販売名と混ぜないようにします。Kew:トルチラマ

クラバについてSANBIは、こん棒状の茎、上部に付く細長い葉、残る花柄を説明しています。表面の凹凸だけを切り取るより、茎全体と葉、開花時の様子を合わせた方が資料と照合しやすくなります。SANBI:クラバ

このページには両種の比較実写を掲載していないため、「凹凸がねじれるなら一方、縦ならもう一方」という写真判定は行いません。クラビゲラ E. clavigera もKewでは別の種として扱われるので、短く省略せず学名を確かめます。Kew:クラビゲラ

ほかの仲間と迷うとき:刺座と葉、花を見る

サボテンと迷ったら、トゲの付け根に刺座があるかを見ます。サボテン科とユーフォルビア属は、分類の階級も異なる名前です。刺座が小さく写真で見えないときは、見えないまま確定せず、接写や花の写真を探します。ユーフォルビアとサボテンの違い

白い乳液を出すサボテンもあります。王立植物園ビクトリアのマミラリアの記載が、その具体例です。「乳液が白いからユーフォルビア」「透明だからパキポディウム」と振り分ける方法は使いません。樹液に触れずに調べられる、葉や刺座、花と名前を先に見ます。Mammillariaの記載

モナデニウムは、現在のKewではユーフォルビア属の異名に含まれます。ミルクブッシュの学名も Euphorbia tirucalli で、同じユーフォルビアの仲間です。「属をまたぐそっくりさん」と、同属の中で姿が違う例を分けると、名前の整理がすっきりします。Kewの属の目録

パキポディウムやアデニウムと迷う葉のある株は、太い株元だけでなく、枝と葉の付き方、花の記録を見ます。属を調べるガイドは、最初に観察する場所を整理する入口として使えます。

CAUTION

白い乳液は皮膚と目への強い刺激物。切る・植え替える・挿す作業では使い捨て手袋と側面まで覆う保護メガネを着け、作業後は手と道具を洗う。目に入ったらこすらず、すぐに流水で10分間以上洗い、ただちに眼科を受診する(症状が24〜48時間遅れて出ることがある)。皮膚に付いたら大量の流水で洗い、付着した衣服は脱ぐ。子どもやペットが口にしたら日本中毒情報センターの中毒110番へ。応急処置の詳しい手順は作業道具と保護具

迷いやすい九組:次に確かめること

名前の組み合わせ次の確認
オベサ/バリダ株齢と花柄の経過。写真の有無だけで決めない
バリダ/メロフォルミス現行POWOの異名関係と販売名
オベサ/プセウドグロボサ全体と枝のつながり、個別図鑑
ホリダ/ポリゴナ現行POWOでは同じ種へまとめられる名前
ホリダ/バリダ同じ株齢の全景と花序。球/柱の二択を避ける
ポリゴナ/スノーフレーク種名と園芸名を分けて来歴を確認
トルチラマ/クラバ学名、全景、葉と花。ここには比較写真なし
ユーフォルビア/サボテン刺座と花、ラベル。傷付けて樹液を見ない
ユーフォルビア/パキポなど枝と葉、花、学名を合わせる

この表は九種類の植物を写真で確定する検索表ではありません。迷っている組み合わせに対し、次に何を調べるかを決めるための案内です。実物を持っていない場合も、必要な写真を販売店へ具体的に尋ねられます。

見えたことを記録すると、次の比較が楽しくなる

写真を並べるときは、名前だけを見て答えを探すのではなく、「稜が高い」「頂部から柄が出る」「以前より縦に伸びた」と見えたことをメモします。名前が同じ二株の違いも面白くなり、自分の一鉢の成長にも気付きやすくなります。

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よくある質問

ホリダとポリゴナは別種ですか?

園芸では二つの名前で流通しますが、参照したKew POWOでは Euphorbia horrida を E. polygona の異名としています。販売名を残して来歴を確認し、灰色か緑色かだけで二種に分けません。

バリダとメロフォルミスはどう見分けますか?

Kew POWOでは Euphorbia valida を E. meloformis の異名として扱います。高さや花柄の多少は観察できますが、その違いだけで別種と確定せず、販売名と採用する分類を分けて記録します。

オベサに花柄があれば、バリダですか?

オベサにも開花や結実の時期には花柄があります。SANBIは種子が散ったあとに落ちると説明しています。一本の柄の有無だけで決めず、経過やほかの形態を合わせて見ます。

白い樹液が出ればユーフォルビアですか?

それだけでは決まりません。サボテンにも乳液を持つものがあります。植物を傷付けず、刺座、葉、花序とラベルを観察します。

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名前や育て方を詳しく調べるときは、次の記事も参照できます。

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